(訳文)P10
聖人ブノワの規則
修道院における歴史のはじめの規則―聖人ブノワの規則―では、野蛮や野卑が大手を振っていた時代、良き生活をするための規則は修道院を平和、安穏、敬意の場の典型例とした。もし現在、公共の場において聖人ブノワが残した言葉に従えば:≪修道僧は互いに思いやりを深くし...相手の意に添うように≫(ch. 7l, 7-10), 宴会でも日常の生活でも人が大勢集まった時、そうすればより快適になるだろう。
聖人ブノワは、共同生活が決して容易でない事を知っていたから、修道僧間の衝突や気兼ねを避けうまく運営できるように、決まりを作った : 修道院は良い礼儀の手本となった。それら基本的な決まりのうち幾つかを次に挙げる:
― 動作をコントロールせよ (ch. 4, 56) : 全ての不器用な動作は罰せられるべきである、特に食卓では(ナイフやスプーンを落とすような人は気をつけないと!)
― 時間厳守 (ch. 42, 32-43) : もし、修道僧が食事の時間におくれたら、彼はたった一人で食事をしなければいけない、それもテーブルクロスもかけず、他の修道僧仲間と離れて、割り当てのワインもなく。
― 静粛 (ch. 38, 12) : 話声、ひそひそ話など、一切聞こえてはならない。それがいわば手のサインを生み、様々な会合で使わた。サインで示される内容は修道院ごとに異なり、沈黙を破らない為にこれを用いる事は義務。
―清潔を保つ : 食堂の入り口で、修道僧は禊所で手を洗わなければならない。
―順番 : 入院年数によって席がきまる。
食堂では、修道僧は椅子の後ろに立って、じっとして修道院長の入場を待つ。テーブル掛けは決まった方法で折られている。食物をわける方法は決まった順序がある。例えば祝祭日によってとか、最初の給仕は年を取った人が先で、二番目のサービスは最も若い人から...食事は一種の儀式であり、言ってみれば修道院全体での聖体受拝で、詩篇や祈り、信仰文の朗読に合わせて進む。 (訳文了)
ずいぶんと細かく決まりがあったようだけど、古い世代の日本人だったら当然というようなところが面白い。